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家で待つ君のための暦物語(サイン入)

日記を記すノートに向かう
なぜ今日も駅を行き交う人々は
全員昨日と違う人なのに同じ人間として記録されてしまうのか
君が想像できる
今日の駅の景色は
いま通るはずの誰かを想像できずにいる
君はノートに向かう
駅の地面が冷たいから
足を組み替えた
(「音だけの日記」より)

第 1 回 西脇順三郎賞最終候補作品。
第2詩集「そだつのやめる」で中原中也賞を受賞した青柳菜摘(あおやぎ なつみ)の第1詩集。
現代を記録する〈試み〉24 の詩篇。
カニエ・ナハによる帯詩「青柳菜摘の「家の友のための暦物語」への十二の返歌」。

青柳菜摘(あおやぎ なつみ)
1990年東京都生まれ。ある虫や身近な人、植物、景観に至るまであらゆるものの成長過程を観察する上で、記録メディアや固有の媒体に捉われずにいかに表現することが可能か。リサーチやフィールドワークを重ねながら、作者である自身の見ているものがそのまま表れているように経験させる手段と、観客がその不可能性に気づくことを主題として取り組んでいる。
2016年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。近年の活動に「亡船記」(十和田市現代美術館, 2022)、「家で待つ君のための暦物語」(東京藝術大学大学美術館, 2021)、オンラインプロジェクト「往復朗読」(2020-継続中)、第10回 恵比寿映像祭(東京都写真美術館, 2018)など。また書籍に『孵化日記2011年5月』(thoasa publishing, 2016)、小説『フジミ楼蜂』(ことばと vol.3 所収, 2021)、詩集『家で待つ君のための暦物語』(2021)がある。コ本や honkbooks主宰。「だつお」というアーティスト名でも活動。

著者:青柳菜摘 装幀:柳川智之 発行:thoasa 2023 3刷 ソフトカバー A5版 108p
新刊書籍


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販売価格
1,980円(税込)

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