100人が語り、100人が聞いた、沖縄の人生。
たくさんの小さな声を織り上げた、膨大な聞き書き集。
2022年、沖縄の日本復帰50周年の節目に始まったプロジェクト。
沖縄タイムス社が100人の「聞き手」を募集し、聞き手は語り手を思い思いに選び生活史を聞き取る。
沖縄タイムス紙面に170回にわたり連載され、第27回新聞労連ジャーナリズム大賞・優秀賞を受賞。この度、待望の書籍化です。
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ここには100通りの「沖縄戦後史」があり、そのそれぞれが皆、必死に、一生懸命に生きてきた、切実な人生の記録です。沖縄という小さな、平和な島が、日本とアメリカという大国の間で翻弄され、踏みにじられてきたその歴史の中で、人々は苦しみながらも、たくましくしたたかに生きてきました。ここに集まった語りには、このシマの人々の、喜びや悲しみが込められています。
そしてそれは同時に、沖縄の人生の、ほんのわずかな、ごく一部でしかないのです。戦後の沖縄を生きてきた膨大な人々、今の沖縄を生きる膨大な人々には、それぞれの膨大な人生があります。そのごくごく一部を集めるだけでも、これだけの分量になるのです。
そしてその、沖縄の人々には皆それぞれの人生があるのだ、という、当たり前の事実を、沖縄に基地や貧困を押し付けている私たちヤマトの人間は、忘れがちなのです。私たちがその当たり前のことを何度でも思い返すために、本書のプロジェクトが生まれたのだと思います。
(監修:岸政彦 みすず書房HPより)
監修:石原昌家・岸政彦 編:沖縄タイムス 出版社:みすず書房 2023 ハードカバー 880p
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