母に、ずっと訊いてみたいことがあった。
ぼくの耳は聴こえるけれど、本当はどちらが良かった?
聴こえる子どもと聴こえない子ども、どちらを望んでいた?
「優生保護法」――
障害者が生まれることを防止し、
女性が産むことを管理しようとした悪法が存在した時代、
「母」はどのように生きたのか。
「ぼく」はどのようにして生まれたのか。
幸せだった瞬間も、悲しかった瞬間も、すべて。
コーダである息子が未来に進むために描く、小さな家族の歴史。
コーダ(CODA:Children of Deaf Adults)
聴こえない親をもつ、聴こえる子どものこと。
装画:坂内拓
書くことは知ること。
知りたいと思う気持ちがなければ決して書かれなかった家族の歴史。
時々この本を届けるために本屋になったのかも知れないと思うことがある。
本書は間違い無くその一冊。
著:五十嵐大 出版社:柏書房 2023 ソフトカバー 216p
新刊書籍