再評価が進むマッカラーズの短篇集。
アルコール依存症の妻に対する夫の愛憎を描いた苦みのある佳品「家庭の事情」、思春期の少女が必死に失うまいとする親密さと愛の形を細やかに描いた「そういうことなら」ほか8編を収録。
今となってはクイア小説の傑作とされていますが、その視点を持ちつつまずは登場人物たちの感情の揺れと天才的な作家による物語を楽しんでほしい。
【目次】
悲しき酒場の唄
騎手
家庭の事情
木、石、雲
天才少女(ヴンダーキント)
マダム・ジレンスキーとフィンランド国王
渡り者
そういうことなら
著:カーソン・マッカラーズ 編訳:ハーン小路恭子 訳:西田実 出版社:ちくま文庫 2023 ソフトカバー 265p
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