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性差別の損失 なぜ経済は男性に支配され、女性は排除されるのか

●女性に高等教育を受けさせないことで、世界経済は30兆ドルの損失を被る
●地球上の耕作可能地の80%は男性が所有し、富の独占を行っている
●男女の賃金格差は市場が偶然にもたらしたものではなく、1970年代に子どもを持つ母を家庭に留めようとした保守的な社会政策に起因する(イギリスの平等賃金法など)
●長期の産休制度があっても、伝統的に子どもは家庭で育てるものだと考え、子どもを預ける施設を作らないから、それを利用できず、「ヨーロッパの老人ホーム」「子どものいない国」となった(ドイツ)
●育児支援政策があるデンマークとスウェーデンでも、出産から10年後に給料が約21%と27%下がっている(デンマークとスウェーデン)
●「男性の連帯」がいかに根強いか(採用、育成、人事管理、昇進、給与慣行に関して)

男女賃金格差、ジェンダー平等、少子化など、今話題のテーマ、緊急に解決しなければならない問題、それらの本当の原因とは何か。小手先の政策だけを振り回す政治の問題も含めて、根本的に解決したいのなら、その真の原因に対処しなければならないことが明確にわかる。そう、男性には耳が痛いが、片方の性がすべてを牛耳ってきたため、女性が不利な立場に置かれているのだ。既得権も含めて、女性に権利を渡そうとしない男性側の問題が大きく影響している。しかも女性でさえも男性に依存する権利を主張し、これらの問題解決に抵抗さえしているのだ。はたしてフェミニズムはあらゆる女性の価値観を包含できているのだろうか。そして、家父長制のことを甘く見すぎていないだろうか。

本書はこうした問題について世界規模で実地に体験、研究してきた著者により真の原因を明らかにし、それによる巨額の損失が起きている事実をデータを基に突きつける。
(柏書房)

著:リンダ・スコット 訳:月谷真紀 出版社 publisher:柏書房 2023 ハードカバー 439p
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