”小さな窓の中で、世界が、自分だけのものになる瞬間、うれしいにつけてはシャッターを切り、かなしいにつけてはシャッターを切ってきたのでしょうか。後追いする私がルーペで覗く小さな35ミリの一コマ一コマには、無音の中さんざめく子らの群像が光を放っていたり、厚い雲の下で海が今にも轟音をたてて迫りくるような情景が広がっていたりします。”
(「ファインダーに棲む人:仲田薫子 植田正治孫・植田正治事務所代表」)
18歳から87歳まで写真を撮り続けた”永遠のアマチュア”植田正治。
死去の5年後に発表された写真集。
ヨーロッパや国内で大規模な回顧展が始まった頃。
妻や家族を中心とした砂丘シリーズ、戦前の写真、「童歴」「小さい伝記」「音のない記憶」「白い風」「幻視空間」「砂丘モード」より精選。
著者:植田正治 出版社:求龍堂 2008 7刷 ソフトカバー163p
C(帯欠)