「まずもって、あの夫というやつは臆病すぎる。合理的であるということを隠れ蓑に、ただ予期せぬものの訪れを怖がっているだけ。なんだい、なんだい、びびりやがって。くされチキンがよ。だいたい、すべて計画通りの毎日なんてつまらないじゃないか。(中略)そのくされチキンがある日、なんの前触れもなく急須を一式買って帰ってきた」(本文より)
向坂さんは自分よりはるかに夫のことが大切で、そして夫と同じくらい大切なものがたくさんあり、夫にも自分と同じくらい大切なものがたくさんあって欲しいと願っている。
自分が夫という立場である以上、むず痒くもあるが、読んでいて気持ちいいエッセイだ。夫婦の幸福とは何だろう。絶妙なタイトル!
著者・Author : 向坂くじら 出版社 publisher:百万年書房 2023 ソフトカバー 201p
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