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日本人が移民だったころ

“現在ニュースで語られる「移民」は、一番にアジアやアフリカ、中東などから日本へやってくる人々がイメージされ、日本社会への移民受け入れの是非をめぐる意見や、いかに共生が可能か、といった議論が交わされている。時に無知や差別意識に満ちた意見もみられるが、こうした日本人の「移民」イメージをのぞいてみると、移民はどこまでも「他者」であり、まるで日本人は移民になることなどないような錯覚にとらわれる。しかし、明治から戦後のある時期まで、日本は確かに国策として移民を推奨する「移民送り出し国」であった。”
(「まえがき」より)

戦前と戦後の境界はなく、一人一人の人生も感情も一本の線で繋がっている。
札幌、沖縄、パラグライで移民の家族に直接会い、「声」を拾い集める。
音楽活動と並行して続けるこのルポルタージュに深い尊敬の念を覚え、この活動への強い使命と忘却への危機感を感じる文章に圧倒される。
おすすめです。

著:寺尾紗穂 出版社:河出書房新社 2023 ソフトカバー 193p
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1,980円(税込)

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