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タイミングの社会学 ディテールを書くエスノグラフィー(サイン入)

”かれはわたしだ。個的経験を、類的経験へと接続しながら書くのが、社会学のエスノグラフィーである。”

フィールドワークの舞台はマニラ(フィリピン)の貧困地区。
主題は貧困と構造的暴力。

突然試合が中止だと告げられるボクサー、自宅が急に目の前で破壊されるスラム街の住人、常に主人の顔色を窺う家事労働者……。何が起こるかわからない明日を待ち、絶えざる今を生きのびるとはどういうことか。かれらが生きる時間のディテールをともに目撃し、ともに書くための理論と思想。

他者の人生を読むことで世界の見方が変わる。それは自らが変わるということ。
圧倒される一冊。


[目次]

はしがき

序章 暗がりの部屋
1 暗がりの部屋から
2 エスノグラフィー
3 認識の生産――時間的・対位的・転覆的であること
4 貧困と構造的暴力
5 制約下での社会学的想像力
6 本書の構成

第1章 不確実な減量――待機するボクサー
1 ボクサーにとっての試合決定
2 生理学的身体
3 予定が白紙になる
4 不確実性
5 待機することを止める

第2章 共同生活——ボクシング・キャンプについて
1 ボクシング・キャンプ
2 訓練の論理/シェルターの論理
3 自由時間という練習時間
4 平凡教育と非凡教育

第3章 対象化された貧困
1 〈ボクシングと貧困〉から〈ボクシングの中の貧困へ〉
2 フィリピンのボクシング
3 対象化された貧困とその動員
4 ボクシング・キャンプの作動原理

第4章 レジリエンス
1 概念へ
2 貧困の時間
3 タイミングの崩壊と回復
4 ポストコロニアル都市
5 争点としてのレジリエンス
6 「あるもの」からの思考

第5章 解釈労働
1 顔色
2 想像力の偏曲構造
3 文化資本論の陥穽
4 解釈労働と感情労働
5 強いられた観察
6 ディテールとフィールドノート

第6章 立ち退きの時計
1 未実行
2 国有地の失地回復
3 法の運用
4 官僚制と待機
5 立ち退きの時計が変化させる日常
6 風景が変わる
7 習慣と住まい

第7章 時間─空間の伸縮
1 道路封鎖
2 時間─空間の圧縮
3 バイクタクシーと政治運動
4 空間の争い

第8章 根こぎ――フィールドノートから
1 強制撤去の一週間
2 「送られた」先──再居住地での生活の開始
3 壊れる世界

第9章 疲弊
1 身体疲労/肉体疲労
2 待機する再居住地
3 疲弊を思考すること

第10章 癖――不可量領域の記述
1 不可量領域の記述
2 癖から考える
3 癖の改造
4 癖を書く
5 癖の自覚化/欺瞞化

終章 抑圧の時計
1 時間的予見
2 抑圧の時計——どうなるのか/どうするのか
3 人生を目撃する

あとがき

著:石岡丈昇 装丁:川名潤 出版社:青土社 2023 ソフトカバー 395p
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販売価格
3,080円(税込)

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