まさかこれが自分の生活なのか、とうたがいたくなるときがあります。
それは自分にはもったいないようなしあわせを感じて、という場合もあれば、
たえられないほどかなしくて、という場合もあるのですが、
それはもちろん自分の生活であるわけです。
その自分の生活というものを、つまりは現実を、
べつだん、大げさにも卑屈にもとらえず、そのまま受けいれたとき、
みえてくるのは「ほのおかしさ」ではなかろうかと思います。
ままならない生活にころがる「ほのおかしさ」を私はずっと信じています。
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自費出版作品としては異例の売れ行きを記録した
『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』の小原晩、書き下ろし最新作『これが生活なのかしらん』の登場です。
家族を描く距離感がとても良い。
こんな稲妻のような友達が出来たら楽しいだろうなと思う。
ままならない生活をめぐる38編のエッセイ。
破竹の勢いで走る筆に生活の緩さを添える絵は安藤智。
著:小原晩 装画・挿画:安藤智 出版社:大和書房 2023 ソフトカバー 184p
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