”ミンクはついに顕れたのだ。黒色も艶やかにカーブした背中。片手で握れそうな華奢な体。張りつめた野生の緊張感。私はそれが去った後も、一人掛けのソファに沈み込んだまま、何度もその姿を反芻した。”
雪がただしんしんと降り続ける白い世界。
語り手は「私」だが、読者はこの「私」が誰なのか分からないまま、凍えながら物語を追うことになる。
雪の世界を描くのは須藤由希子。
理論社から発行された梨木香歩の絵本シリーズの一冊。
作:梨木香歩 絵:須藤由希子 出版社:理論社 2006 初版 ハードカバー 91p
B(帯付)