”指揮棒は、銀色に光っていた。指揮棒がゆれるたびに、水のあぶくのような光の粒がまいあがった。まるで、光のちいさなミツバチが、棒にあつまってくるのをはらいのけているようなかっこうにみえるのであった。”
第11回産経児童出版文化賞、第2回野間児童文芸賞、第4回日本児童文学者協会賞を受賞した庄野英二の長編ファンタジー。
戦地で馬の世話をしていた主人公が記憶をなくし牧場に引き揚げてくる。
やがて牧場に音楽が鳴り響いて。。
戦争体験から生まれた戦後児童文学の名作。
カバーは中谷千代子、解説に串田孫一。
角川文庫(昭和51年)絶版
単行本は長新太の装画で理論社より昭和38年に発行されていた。
著者 Author:庄野英二 出版社:角川書店 1976初版
302p 文庫
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