写真を始めて早10年が経過した。
毎日欠かさずとは言えないものの、誰に頼まれるでもなく、
地道に写真を撮り続けてきた。
政治、戦争、宗教、気候変動、LGBTQ、貧困、難民。
何ひとつ自分の写真には写っていない。
私が撮りたかった写真とは何だろうか。
「10 Years Today」
いつしかそんな疑問が頭から離れなくなり、一旦カメラを置いて立ち止まる必要があると思った。
“私にとって”の写真を一から見つめ直すために、写真にまつわるetc.を自分なりの言葉で少しずつ書き留めはじめた。
日々感じていたこと、新しく気が付いたこと、ふと頭に浮かんできたこと。
そして、それらのバラバラに綴られた言葉たちをいつでも見返せるように、一冊のZINEにまとめることにした。
(山口卓也)
山口さんがblackbird booksに通い出してくれて10年とは言わないが5年以上は軽く経っていると思う。山口さんは真摯(紳士)な人で、写真や芸術に静かに真剣に向き合って来た。だから、こういう本を作るのは必然だったのかも知れない。
”ひとりごと”ではあるけれど先人への感謝と敬意、そして自身の未来へのある決意を宣言した一冊だ。
写真を撮り続けるすべての人に。
「フィルムで撮ること」
「小さい大聖堂」
「Summer Time」
「写真を読む」
「光が、失われていく」
「私の記憶」
「駅のホームにて」
「故郷を求めて」
「10 Years Today」
※手製本のため仕上がりには一点ずつ多少のバラつきがございます。
写真家。大阪生まれ。
京都外国語大学を卒業後、ビジュアルアーツ専門学校大阪にて写真を学ぶ。活動初期からスナップショットの手法を軸に、俯瞰的な視点と独特の憂いを帯びた視線が交錯する独自の写真作品を発表している。また近年は「具象性」と「抽象性」をテーマにしたコンセプチュアルな写真表現にも精力的に取り組む。
website: yamaguchi-takuya.com
著者 Author:山口卓也 Takuya Yamaguchi 発行 PUBLISHER:self-published 2024 糸綴じ
new 新刊書籍