すき焼きに栗入れるなと殴られて目玉はずれて仕事できずも
あの時の愛と勇気と感動が今は呪ひとなりにけるかも
知り合いに水だけ出して帰らせてその後わがは薄茶のむなり
くるぶしは俺の心の一里塚夜の心はみなの禿山
花活けて横に巻き寿司現代詩捨ててしまつた夢の置き床
気い狂てアキレス腱をわがで切り這うて行こかな君の近傍
阿呆ン陀羅しばきあげんど歌詠むなおどれは家でうどん食うとけ
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著者初の短歌集にして、全352首書き下ろし!
小説世界そのままにスピードに乗って読み進め、笑い転げていたら正気に戻れなくなってしまって、後に残るのは妙なざわめき。
迫力を纏った装丁は箔押しのみで構成され、三方染めという何か重箱のような風体。
”ただそこに置かれているだけで異様な狂気を放つ一冊”
(COTOGOTOBOOKS)
著者:町田康 出版社:COTOGOTOBOOKS 装幀:佐藤亜沙美 2024 ハードカバー 192p
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