ここではないどこかに、わたしとは違う人生を生きている誰かがいる。そんな誰かを想像することは、世界に触れようとすることであり、それこそが「観光」なのではないかと、僕は思う。(「あとがき」より)
「観光地」を巡り、日本の近代の歩んできた足跡をたどる。
これは所謂「旅のエッセイ」ではない。
観光地で商売をしてきた人たちに出会い、話を聞き、その土地で観光客は何を見てきたのか、その歴史に触れる。人類学のフィールドワークに近い。
コロナやSNSの発達でも分かる通り、時代と共に「観光」も変わる。
ぶらりと訪れた先で橋本さんは何を発見して、どんな光を観たのでしょうか。
プロローグ わたしたちの目はどんなひかりを見てきたのだろう?
道後温泉 いつか旅は終わる
竹富島 人間らしさを訪ねる旅
摩耶山 ひとつひとつの電灯のなかにある生活
猪苗代 結局のところ最後は人なんですよ
羅臼 人が守ってきた歴史
横手 店を選ぶことは、生き方を選ぶこと
しまなみ海道 昔ながらの商店街にひかりが当たる
五島列島 世界は目に見えないものであふれている
広島 この街にいた誰かを思い出す
登別・洞爺 絶景、記憶をめぐる旅
あとがき
著者:橋本倫史 出版社:太田出版 2024 ハードカバー 384p
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