田名網敬一(1936-2024)の決定的モノグラフ。
カウンターカルチャー、ヒストリー(伝統)、ポップ、ランドスケープ、エロスの5部構成。
戦争体験によるトラウマから生まれ、世界中を席巻したサイケデリア。
NO MORE WARを軸に、絵画、イラスト、コラージュ、コミック、立体作品、映像など強烈な作品を作り続けてきた作者の全てが詰め込まれています。
作品や解説ごとに異なる紙を使用。
英語版でここまで包括的な作品集が発売されるのは初だそう。
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以下、版元より
日本人アーティスト、田名網敬一の作品集。日本の戦後のカルチャーとアメリカン・スタイルのコミックスを融合し、それ自体がひとつのカテゴリーとなりうる芸術のアウトプットを成功させた作者による、まるで万華鏡のような作品群を収めた一冊。包括的なモノグラフとして英語版で刊行されるのは初めてとなる。
アーティストであると同時に、イラストレーター、グラフィックデザイナー、映像作家、アートディレクターでもある作者は、意識の最深部にまで手をのばすサイケデリックな作品で最も知られている。幼少期の戦争体験が創作の原点にあり、1960年代以降、作者は、第二次世界大戦中のアメリカによる日本への爆撃を生きのびた自身のトラウマ体験に対するひとつの答えとして、紙上作品や雑誌の表紙、幻想的な大規模絵画作品を生み続けてきた。その作品は世界的な注目を集め、国内外の展覧会で発表され、現在は「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」、「シカゴ美術館(The Art Institute of Chicago)」、「横浜美術館(Yokohama Museum of Art)」、「M+」、ワシントンD.C.の「ナショナル・ポートレート・ギャラリー(National Portrait Gallery)」などのコレクションに加えられている。
作品は、エロティシズム、シュルレアリスム、サイケデリア、アメリカン・コミック・アートが、政治、消費主義、ポップカルチャーに対する強烈な論舌と組み合わされ、意外な調和を見せることで特徴づけられている。これまでにも、テーマを絞った小規模な形で幾冊かの著書が刊行されているが、英語で出版される回顧作としては本書が初であり、長く切望され期待された一冊となっている。
本書は何種類もの紙を用いて制作されており、出版物単体として見ても優れた一冊である。内容は5つのチャプターに分けられており、それぞれが、エロス、アングラ、ポップ、伝統、風景と、作者の要であるテーマの背景を語る序文から始まり、伝説となった作品を新しくも魅力的な視点から堪能させてくれる。
「Capsule」誌、「KALEIDOSCOPE」誌の創設者でありクリエイティブ・ディレクターのアレッシオ・アスカリ(Alessio Ascari)が編集を手掛け、キュレーターでありロンドンの「Serpentine Galleries」でアーティスティック・ディレクターを務めるハンス・ウルリッヒ・オブリスト(Hans Ulrich Obrist)と、同じくキュレーターであり文化評論家であるカルロ・マコーミック(Carlo McCormick)が文章を寄稿している。
著者 author:田名網敬一 Keiichi Tanaami 出版社:Rizzoli 2024 hardcover 248 x 318 mm 256p
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