”愛はいつでも儚い一方通行”
『結婚式のメンバー』『心は孤独な狩人』に続く村上春樹訳のマッカラーズ。
知られているようにこの三作は「僕なりの翻訳を世に問いたい」と翻訳を強く希望していたもので、この作品をもって念願叶ったことになる。
前二作同様に、全くもって非の打ち所がない小説と言っていい。
カポーティ以来となる、山本容子の銅版画とのコラボレーション。
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さびれた南部の町で暮らすアミーリアは、言い寄る男に見向きもせず、独身で日用品店を営んでいる。ある日彼女のもとに背中の曲がった小汚い男が現われた。町中が噂するなか、どういうわけか彼女はこの小男に惚れこみ、同居してカフェを始める。そこにアミーリアの元夫が刑務所を出て帰還。奇妙な三角関係の行方は――。
著者:カーソン・マッカラーズ 訳:村上春樹 出版社:新潮社 2024 ハードカバー 157p
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