村上春樹の好きな短編は?とアンケートを取れば、恐らくかなりの確率でこの作品は上位になるだろう。1982年に発表された作品だが、今読み返してもその世界は少しも”損なわれていない”。新鮮な驚きと曖昧な、不透明な、分からなさが残り、今私は何を読んだのか?という疑問が生じる。
この物語には盟友である水丸さんが挿絵のために描いたイラストレーションが存在したらしい。こうして新しい装いで一冊の本として発売されることはファンとしてとても嬉しいことだ。
著者:村上春樹 絵:安西水丸 出版社:スイッチ・パブリッシング 2024 ハードカバー 91p
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