短歌とたわむれるとき、
わたしたちは時の流れから自由になれる
前後に予感が満ちていて、
過去にも未来にも羽を伸ばせる
撮ったつもりがないのに
撮れていた写真や短い動画のような
(「作者のことば」より)
365日、その日その季節にぴったりの短歌を並べてみたら、岡野さんのベスト作品集と言える内容に。
あなたの記憶のとびらを開く365日の短歌。
お正月に始まって、大晦日でこの本は終わります。が、また時計を巻き戻すように何度もいつまでもお楽しみください。
月ごとに紙の色が異なる驚きの仕様!
(3月27日)あとがきにかえて、みたいに咲いている桜 そういう気持ちの夜に
あの日、見上げた空を思い出したり。
(5月18日)方言をほころびあっていくふたり五月の川を並び歩いて
出会えた喜びに、目を細めたり。
(9月14日)沿道のコスモスざかりに押し歩く自転車 長く生きてきたよな
現在地を知って、ふと立ち止まったり。
(10月24日)ひさしぶりに食べるとおいしいねと話すあなたはひさしぶりが同じひと
かけがえのなかった瞬間に、気づかされたり。
(12月27日)ファミレスは小さな足湯 近況をどこまでさかのぼって話そうか
いつか見たい景色を、思い浮かべたり。
著:岡野大嗣 出版社:ライツ社 2024初版 ソフトカバー 392p
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