妹 離婚してくれて本当にありがとうって思う理由で一番大きいのは、私のこれからの結婚生活とかに父が関わらなくてよかったって思うことかも。
私 分かる。「どうしよう」って大学生のときから考えてたもん。
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私 喧嘩しまくるっていうよりはいいのかもしれないけど、普通に仲がいいのが一番良かった気がするね。
父 それはね、本当に申し訳ないなと思う。
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私 やっぱりどこかで解放されたいみたいな気持ちがあったの?
母 そうね。ちょっと悶々としてる部分があったから。ちょっと普通の夫婦じゃないよねって。今の若い人が言う新しい夫婦の形とはまた違うよねって。
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両親の離婚と父親の再婚によって突然失われることになった「実家」。
10年以上まともに両親と話していなかった著者の飯村さんは、この不思議な家族の関係性、もっと言えば溝、そして自分が「家族」というものに対して肯定的になれない原因を探るため、父、母、そして妹にインタビューを試みます。
あの実家とは何だったのか?
家族に悩みはつきもの。しかし本を作るためとは言え実際にインタビューを試みるのはなかなか出来ないことでは。妹さんにも「偉いね」って言われている。
後日譚となるあとがきまで一気に読んでしまった。
著・発行:飯村大樹 2024 装画:藤本将綱
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