小さな手帳に鉛筆書き。詩人直筆の日常の記録から、「社会詩」「生活詩」と謳われた詩作が生まれた背景を探る。
本書は、南伊豆町町立図書館「石垣りん文学記念室」に所蔵される、1957年の富士重工業製の手帳、1957年から1998年の間使用された日本興業銀行製などの手帳ページの複写して公開する。
戦後女流詩人の草分け的存在であった石垣りんは銀行員として定年まで働きながら生活に根ざした詩を書き、いつの時代にも人々の心に迎えられながらもH氏賞を受賞するなど文壇にも一目置かれた日本文学史上の最も重要な詩人の一人です。
勤め先であった日本興業銀行製の手帳に記された日記、メモ、愛用品などの写真を掲載されています。修羅場のような戦前戦中を生き抜いた後の、戦後の詩人の暮らしが詳らかになっています。
巻頭には石垣りんの最後まで親交を重ねた谷川俊太郎によるかつての紹介文を掲載。関容子(エッセイスト)、高橋順子(詩人)らの寄稿もあり。
当店では夏葉社でもお馴染み櫻井久、中村あゆみの装丁による美しい本です。
著者 Author:石垣りん 出版社:katsura books 2025 初版 ハードカバー 424p
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