北欧デザインの巨匠、タピオ・ヴィルカラ(1915-1985)は何を見て、何に触れ、何を作ってきたのか。
ヴィルカラの妻でセラミック・アーティストのルート・ブリュックの巡回展「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」と同じ東京ステーションギャラリーから立ち上がる日本初の回顧展「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」のために制作されたのが本書。
ヴィルカラが手がけたガラスや磁器、照明や家具などのプロダクトデザインやグラフィックデザイン、木彫、金工などの作品、ヴィルカラが撮影した写真、ドローイング、そして言葉を引用し、ヴィルカラの世界を追体験する試み。
手、手触り、姿、形、ラップランド、プーッコ、受容、都市、循環、のテーマで構成される。
以下、版元より
ヴィルカラは、フィンランドのモダンデザイン界で圧倒的な存在感を放つデザイナーです。
1946年、イッタラ社のデザインコンペで優勝。1951年のミラノ・トリエンナーレでガラス作品「カンタレリ」と会場デザインでグランプリを受賞。1960年代からはフィンランド最北端のラップランドで多くの時間を過ごし、生命の神秘や大自然の躍動から得た着想は、代表作の一つ「ウルティマ・ツーレ」を生み出しました。
また、69年間の生涯で、ガラスや磁器、照明や家具などのプロダクトデザインやグラフィックデザインのほか、木彫、金工、ランドスケープアートと多岐にわたる作品を手がけました。
自然や都市環境をじっくり観察し生まれたアイディアを、柔らかな手で線や絵に描き姿形に掘り出しました。常に自分の手を使い、ものづくりと真摯に向き合ったヴィルカラ。その考え方や感覚までもが伝わってくるようなヴィジュアルブックを、展覧会に合わせて刊行します。
本書は、ヴィルカラ自身が撮影した芳醇なカラー写真と作品やドローイングの図版を渾然一体化し、「手触り」「姿」「ラップランド」「都市」「循環」などの断層を巡り、ヴィルカラの眼や手となって脳内をトリップする1冊です。
ダニエル・ナイルス(総合地球環境学研究所)、吉泉聡(TAKT PROJECT)、勝見勝(工芸評論家)、江口宏志(蒸留家)、サミ・ヴィルカラ(デザイナー/タピオ・ヴィルカラ長男)の5氏の寄稿、マーリア・ヴィルカラ(現代美術家/タピオ・ヴィルカラ長女)の言葉を収録。
編集:羅苓寧、いまむられいこ、柴崎明日美 協力:タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団、エスポー近代美術館
アートディレクション:羅苓寧(中介藝術 intermediArt) タイポグラフィ・デザイン:加賀山咲子 翻訳:遠藤悦郎、Simo Vassinen、櫻間裕子 校正:森かおる 出版社:ブルーシープ 2025 初版 ソフトカバー(コデックス装) 204p
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