十代の頃から生きることがつまらなくなったら適当なタイミングで世の中から去ればよい、という考えが強くありました。その考えは時として私を楽にさせてもくれたけど、子供がいるとそんな考えを持てなくなることを知りました。妻と出会い、犬と出会い、子と出会い、そんな生活が私のすべてを作り変えたのだと思います。
5年ぶりの書籍を前に、山之口貘が初めて詩集を出した時に流した涙のようなものを自分はきちんと持てているか、と問うています。
(いなくなっても、そこにあるもの)
ベビーカーを転がし神戸の街を親子二人で歩む散歩エッセイの金字塔「ごろごろ、神戸」から約5年。平民金子さんの新作が遂に登場。朝日新聞好評連載が書籍化です。
どこにでもある道、どこにでもある公園、そんな舞台の小話がなぜにこんなにも沁みるのか。。
帯は柴崎友香と岸政彦の「大阪」コンビ。
珠玉のエッセイ集。
著者・写真:平民金子 装丁:佐藤亜沙美 出版社:朝日新聞出版 2025 初版 ソフトカバー 237p
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