2013年に東京都写真美術館で開催された「高谷史郎 明るい部屋」展の図録。

アーティスト集団、ダムタイプDumb Typeの芸術監督としてパフォーマンスやインスタレーションの制作のほか、映像、照明、グラフィック、舞台装置デザインなどを手掛けてきた高谷史郎。個人の活動では映像作家として坂本龍一をはじめ多彩なアーティストと関わり、写真にも一貫して興味を示してきました。

ロラン・バルトの著書、そして画家が風景を手元の紙の上に映し出すために用いた光学装置「カメラ・ルシダ」から取られたこのタイトルの展示は「暗箱」から生まれる写真とは異なり、プリズム、鏡、レンズだけで目の前の対象物を映し出す作品です。

寄稿：柄谷行人、田坂博子