2025年の新装版です
「私の机の前には、ルイジ・ギッリの写真が掛かっている。
私は彼の写真が好きだ。
そして写真と同じくらい、彼が書くものにも心動かされる。
ルイジ・ギッリは最後の、真のイメージの開拓者だった。
そして間違いなく、20世紀写真の巨匠のひとりだ。」-ヴィム・ヴェンダース
一葉の写真が大切な絵葉書のように記憶に残るギッリの作品。
このイタリアの巨匠は近年益々評価を高め多くの人に知られるようになりました。
本書はギッリが晩年に残した「写真講義」の記録です。
撮影技術と写真の魅力を熱く静かに語っています。
写真、芸術を愛するすべての人に。
作品も多数掲載。
「多くの人が写真はもはや時代遅れ、ビデオ、映画、新しい表現体系、デジタル映像に追い越されてしまったと言うのは偶然ではありません。けれども私は、写真にはそうしたすべてを超越し、まったく異なる仕方で世界と関係を築く力があると信じています。かつて写真は、何かを知るため、あるいは何かを肯定し、応えを提供する表現でした。現在ではそうではなくなりつつあります。しかしたとえそうでも、やはり写真は、世界に対して問いを投げかけるための言語であり続けています。かならずしも応えを得られるわけではないかもしれませんが、写真にはまだこの偉大な潜在能力があると思います。私は人生で、外部世界と関わりながら、まさしくこの方向に向かって歩んできました。決して問いの応えは見つからないと分かっていますが、問いを投げかけることをやめるつもりはありません。なぜなら、このことがすでにひとつの応えの形だと私には思われるからです」(本書「自分を忘れる」より)
著者:ルイジ・ギッリ 監修:ジュリオ・ビッザーリ、パオロ・バルバロ 訳:萱野有美 出版社:みすず書房 2025 新装第一版 ハードカバー A5変型判 タテ200mm×ヨコ150mm/256頁
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