ある日の夕暮れ、いつものように東京のはずれを流れる大きな川を見に行った。川を見て少し火照った心を冷やそうと思った。
(「カポーティの家」)
今はスマホがあるからこういう風に身体が動くことはないのだろう。
心を見つめるとは、本を読むとは、つまりこういうことではないか。
昭和から平成へ。
失われた風景を、少年の日の記憶を辿り、詩のように書き写していく。
川本三郎が愛した「映画」のように流れていく四十二篇。
装画は坂口恭平。
著:川本三郎 出版社:ベルリブロ 2025 ハードカバー 216p
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