「何を読んでいるのかな?」
あなたはいつもそう訪ねた。
眠りつづける101歳の老人。
かたわらで本を読む若い女性。
老人はかつて、少女の隣人だった。
分断が進む世界で小説に何ができるのか。新時代の希望を描く「EU離脱後」小説。EU離脱に揺れるイギリスのとある施設で眠る謎の老人と、彼を見舞う若い美術史家の女。かつて隣人同士だった二人の人生は、六〇年代に早世した女性アーティストを介して再び交錯し――不協和音が響く現代に、生きることの意味を改めて問いかける。
ブッカー賞最終候補作。
四季四部作始まりにして最高の一冊。
四作全ての装画を手掛けたのは水沢そら。
著者:アリ・スミス 訳:木原善彦 出版社:新潮社 2020 ソフトカバー 247p
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