高度経済成長期、スクラップアンドビルドの波に揺れる東京。
名作、46年振りの復刊。
森山大道「続にっぽん劇場」、深瀬昌久「洋子」、荒木経惟「わが愛、洋子」、須田一政「風姿花伝」など数々の名作を生んだソノラマ写真選書。
『都市の軌跡』もそのシリーズから1979年に発表されました。
「写真に言葉はいらない」と言った柳沢は都市の静と動をそのままに巧みな構図で切り取って行ったのでした。
1965年から1970年にかけての東京。
そこに写る風景を見ればノイズで溢れているはずなのに、写真からは静けさだけが漂っているのはなぜなのか。。本当に素晴らしい作品です。
初版900部
以下、版元より
2017年にroshin booksから出版された『untitled』は、柳沢信による旅写真の集大成とも言える写真集でした。今回復刊される『都市の軌跡』は、1960年代の東京を写した柳沢の代表作であり、彼にとって初の写真集として、1979年に朝日ソノラマより刊行されました。
本作に収められた写真は、1965年から1970年にかけて撮影されたものです。高度経済成長期、スクラップアンドビルドの波に揺れる東京。古い街並みが壊され、新たな建造物が立ち上がる——その過渡期の時間と空間を、柳沢は冷静かつ精緻な構図で切り取りました。意味や物語性に頼ることなく、都市のかたちと気配を浮かび上がらせています。
「写真に言葉はいらない」——柳沢の姿勢は一貫して変わることがありませんでした。プロヴォークでもコンポラでもない。その写真は柳沢信という存在そのものであり、唯一無二の視線が本書には刻まれています。
まさに、いま再評価されるべき都市写真の金字塔です。
柳沢信
1936年東京・向島生まれ。東京写真短期大学卒業後、桑沢デザイン研究所を中退しフリーに。1958年に『ロッコール』で注目され、1967年に日本写真批評家協会新人賞受賞。以後、写真誌を中心に活躍。1993年のイタリア旅行後に喉頭癌などを患い、撮影を断念。2008年死去。
著者 Author:柳沢信 Shin Yanagisawa デザイン:松田洋和 出版社 publisher:roshin books 2025 初版 ハードカバー 231mm x 231mm x 16mm 120p
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