一九一〇年代、ソウルに住む大部分の人たちは冷麺を知らなかった。プルコギは一九二〇年代の半ばになって初めて登場した。驚くべきことである。私たちが好んで食べている料理の歴史が、まだ百年そこそこだなんて。
(はじめに)
地方や海外の味が流入し、外食店が増え、朝鮮半島の食文化が大きく変貌していった時代、それは文学にも直結する。
舌の快楽を文学で語るのは韓国も、日本も、世界中どこの国でも共通する。
韓国の食文化が花開いた百年前、作家や記者はどのように言葉に残したのか。
どこから読んでも味のある、小説、エッセイ、ルポルタージュ40選。
編:イ・サン 訳:八田靖史 出版社:クオン 2025 ソフトカバー 244p
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