川は血のように流れている
血は川のように流れている
第43回 木村伊兵衛写真賞 受賞作 戦後80年を機に待望の重版です。
ずっと待っていました。
7本の川が流れる街、広島。
原爆が落とされたから70年を経過し、街の移り変わりと通り過ぎゆく人々をずっと一番近くで見ていた川。
その川べりに暮らす写真家が撮り続けた無数のスナップ。
悲しみ、喜び、あらゆる感情を写し出す人々と街の表情。
歴史的な傑作です。
”「平和」が記号化し、風俗となってゆく街。眼差されるほどに空洞化してゆく原爆ドーム。
それらを背景としながら立ち現れる光景に、写真家の、スナップを撮る無意識は接続した。
自らも広島の川べりに生活しながら、写真家は、歴史といま、社会と個人の関わりを、写真のなかに、瞬間のなかに発見していく。
ひとの貌のなかに現れる風景。風景のなかに揺らめく生気。「ヒロシマ」から解き放たれたこの街は、どのような時空なのか。
ときに逆行し、渦を巻き、決して直線的ではない、不可知の流れ。
永遠に新しい一瞬は、写真のなかに、私たちのなかに流れている。”
著者 Author:藤岡亜弥 Aya Fujioka 2025 Book Design:松本久木 出版社 publisher : 赤々舎 2025 第二版 240p H252mm × W187mm
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