40代未婚無職の「わたし」は、老いた父母やDVを受けて実家に戻ってきた妹親子のケア労働に果てなく追われ、詩人になる夢も「あの人」とのささやかな幸せもすべてを諦めて生きている。一日の終わりに、好きな詩を筆写することだけが自分を取り戻す時間であった「わたし」が、それすら失ってしまう前にとった選択とは――。
韓国で幾つもの賞を獲得しているキム・イソルの初の単行本邦訳作品。
著者自身も家族のケアや二人の子育てに追われ、「停留所」に佇み、小説を書けずスランプになった経験があるという。
性、家族、暴力が主題だった初期の作品からスランプを経て、本作は誰からの背中を押してくれる「人生小説」と言えるものになった。
「わたし」を取り戻したいあなたに。
著者:キム・イソル 訳:小山内園子 装幀:鈴木千佳子 出版社:エトセトラブックス 2025 初版 ソフトカバー 136p
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