従来の出版形態では埋もれがちな、短いけれども価値のある建築家による論考を、「手紙としての本」をコンセプトとしてより手軽に読者にお届けする。
翻訳・企画・編集・デザインそして発行までを佐伯達也個人で手掛けるレーベル、FORGET BOOKSから。
住宅を紹介するFORGET HOUSEシリーズ一作目です。

アルド・ロッシの最初の実作として知られるロンキのチェラジオーリ邸。 近年まで忘れ去られていたこのヴェルシリアの夏の別荘は、 二〇二三年にグラツィーニ・トナツィーニ・コロンボによって改修され、現在の姿が明らかになった。 ロッシと現代の建築家によるダイアローグ、そして一九二〇年代から育まれたイタリアの避暑地文化の痕跡を、 軽やかな夏の風景とともに辿る。

「ヴェルシリアはイタリアの知識人たちが集まる拠点である。 毎年六月から九月にかけて、イタリア中の知識人たちが、老いも若きも、 痩せすぎも太っちょも、禿げ頭も長髪も、だれもが子供のような服装で自転車に乗り、 密集した蜂のようにぶんぶんと音をたてて、 ヴィアレッジョからマリーナ・ディ・マッサへと続く素晴らしい海岸通りを行ったり来たりしている。」
─アルベルト・サヴィニオ

初版250部
シリアルナンバー入

著者略歴
グラツィーニ・トナツィーニ・コロンボGrazzini Tonazzini Colombo
ローマを拠点とする建築アトリエ。2024年、イタリア建築賞（若手建築家部門）を受賞。 メンバーのミケーレ・グラツィーニ、アンドレア・トナツィーニ、ジョルジア・コロンボは、 イタリアおよび国外で建築を学び、Foster+Partners、John Pawson、Allies and Morrisonなどの著名な建築事務所で経験を積んだ。文化施設、教育施設、住宅、 宗教建築など、公共・民間の幅広いプロジェクトに取り組んでいる。