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背中を見られているという感覚がいつの間にか背中を追いかけているのは自分の方になっている、ということに子育てをしていると気づくことがある。
濱田さんの写真はそんなかけがえのない瞬間の連続だ。
デビュー作から10年、最新版の登場です。

”本作は濱田英明が自身の二人の子どもを撮影したシリーズ「Haru and Mina」の最新版。2009年7月から2020年4月までの約11年間に撮影した8000余点の中から濱田自身が313点を厳選し、504ページに収めました。
二人の子どもの平凡な日常、瞬時に忘れ去られてしまうようなありきたりの光景は、何度もめぐる春夏秋冬とともに時系列でゆっくりと流れ、しかしそれはいつか訪れる別れに向かって進んでいきます。
どこかで誰もが見たことのある景色が鑑賞者にもたらすのは、心のずっと奥の方にある大切な何かを呼び覚ます不思議な感覚。気がつけば、朧げに脳裏に残る遠い日々に心地よく切なく耽溺するかのように、引き込まれていく。
写真を撮って記憶を残す。時間をいまに呼び戻す。その行為の本質にあるものを、この作品集は静かに物語っています。”
（青艸堂）