入ると、本の匂いがする。新刊の本屋さんでは真新しい紙とインクのとがった匂い、古本屋さんは焦げたような香ばしい匂い。私はぐるりと店をまわり、長々と背表紙を眺める。
(背表紙の学校)
『夕暮れに夜明けの歌を』『文化の脱走兵』がロングセラーを続けるロシア文学研究者・翻訳家、奈倉有里のエッセイ集。
奈倉さんのエッセイは入り口は広く、奥行きが深い。それはやはり、ロシア文学に似ている。そして奈倉さんほど本屋さんについて愛情豊かに語る作家はいない。
【装幀】
名久井直子
【装画】
Mirjam Wilke
著:奈倉有里 出版社:講談社 2026 ソフトカバー 224p
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