東京都出身、ベルリンを拠点に活動する写真家小島康敬の作品集。
ニューヨーク、東京、と都市を写し出すシリーズの3作目であり、編集を鈴木理策が務めた。
古神道にある「中今 Naka-ima」という概念(一直線の時間の流れではなく、無限に円環する「永遠なる今」)を念頭に、何を写しているのか?と自他に問いかける。
意味を超越し、圧倒的な今が迫り来る都市(建築)構造。
写真は時間を留めるが、この写真はどこから来てどこへ向かうのだろう。
巻末テキスト
鈴木理策、小島康敬
初版900部
以下、版元より
ベルリンは、先行する二都市に比べ人口規模こそ小さいが、旧東ドイツ時代の都市計画を色濃く残す広い道幅や建築構造が、街に独特の大きなスケール感を与えている。どこまでも均質で、揺るぎない強度を持つ街。その質感に向き合う中で、次第に浮き彫りになったのは、この都市に流れる静かで緩やかな時間だった。
本作の核となるのは、ベルリン特有の建築構造が生み出す「Hof(中庭)」である。建物がマトリョーシカ状に2重3重と重なり、その隙間にひっそりと佇む中庭。内でも外でもないその場所では、過去も未来も輪郭を失い、ただ“今”だけが鮮明に浮かび上がる。自己と他者の境界さえ曖昧にするその空間は、古神道の時間概念である「中今(なかいま)」と静かに共鳴する。
小島康敬
1977年東京生まれ、現在はベルリンを拠点に活動。國學院大學文学部伝承文学専攻を卒業後、社会人5年半を経て、2006年に渡米。ICP(International Center of Photography)GeneralStudies Programを卒業。在学中にICP Directors ScholarshipAwardを受賞。2011年文化庁新進芸術家海外研修制度を受ける。2012年Photo Espana “Descubrimiento photoespaña“に選出される。2015年ベルリンKünstlerhaus Bethanienアーティスト・イン・レジデンスプログラムに参加。2022年ハリバンアワード2022最優秀賞を受賞。近年の個展に「Naka-ima |Berlin」(大徳寺黄梅院、2023)、「中今|Berlin」(YukaTsuruno Gallery, 2021)、「Unconscious|Berlin」(Place M、2020)、「Unconscious | New York,Tokyo」(Yuka TsurunoGallery, 2019)、「Unconscious | Berlin」(Akio NagasawaGallery Aoyama, 2019)、「Berlin」(銀座ニコンサロン、2017)、「Tokyo」(銀座ニコンサロン、2016)、「Tokyo|Berlin」(Künstlerhaus Bethanien、ベルリン、2016)。グループ展に「TOPコレクションイメージを読む写真の時間」(東京都写真美術館、2019)、「東京・TOKYO日本の新進作家展vol.13」(東京都写真美術館、2016)などがある。彼の作品は、東京都写真美術館、清里フォトアートミュージアムにパーマネントコレクションされている。スーパーラボ、蒼穹舎より3冊の写真集を出版している。
著者 Author:小島康敬 KOJIMA Yasutaka デザイン:加藤勝也 出版社 publisher:roshin books 2026 初版 布製ハードカバー 270mm x 225mm x 16mm 88p
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