世俗から超越した、大人の純芸術家。社会問題はもとよりネットの炎上みたいなくそ下らない話は耳にも入れたことのないような、森に住むエルフのような小説家。なれるもんならなってみたかった。
けれどそれをやりきるには、私はあまりにもさびしんぼで俗物で孤独だ。もう10年以上、佐川とヤマトとゆうパックとネットスーパーとファミマの人以外とはほとんど喋らず、一人で起きて一人で飯を食い一人で仕事をして一人で寝ている。
(インターネットと大人)
主語がデッカイ話をするのを許してほしいが、前から日本の社会って小学校の教室がそのまんま続いているなと感じてる。いい年こいた大人が「みんなと同じじゃなきゃダメなんだよ、先生に言ってやろ!(大意)」を堂々と発言することも少なくない。私はもうそれを聞きたくない・大人として。
(おもしろと大人)
帯には痛快エッセイとあるけれど、痛快が霞むくらい面白い。
大人になれば誰もが味わう現実と理想のギャップが本当に面白く描かれている。
政治をはじめ子どもみたいな大人が充満する世の中をバッサリと気持ちいいいぐらいに切りながら、返す刃で自分も切ってしまいそうになるのが言葉だが、言葉の使い方がこんな上手な方がいるのだな、と感心した。
大人はみんな読むべし。
著者 Author:王谷晶 出版社 publisher:平凡社 2025 3刷 ソフトカバー 179p
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