「人が遠い旅を求めるのは、自分のいる場所を知りたいからじゃないだろうか。どこまでも遠くへ行くと、 最後には自分の内面にまで戻ってくるような気がするんだよ」
「死を、いま生きている対極に置くんじゃなくて、いのちをいのちたらしめているものとして、 自分のなかに親密に取りこんで、その死との関係性のなかで生きることが、 人生を充実させるように思ったんだ」
(本文より)
世界の自然音を録音しながら音の向こうの世界を見出そうとする公平と、レコーディングスタジオで働く恭子。
セント・ギガ(実在したフィールドレコーディングを中心にしたラジオ局)に感銘を受けて自然音を採取し録音作品を作り始めた公平は、見えない音の向こう側にある世界を見出そうと日本を旅し、沖縄にたどり着く。その旅路を見守る恭子。2人は、お互いの存在を通してそれぞれ自分自身のあり方について真摯に模索し続けていく。
世界中を巡りながら紀行文を書いてきた駒沢氏の抱えていたテーマや思想が、フィクションという形で展開された作品。
<著者プロフィール>
駒沢敏器
1961年東京都生まれ。
雑誌『SWITCH』の編集者を経て、作家、翻訳家に。
主な著書は、小説に『ボイジャーに伝えて』『人生は彼女の腹筋』、『夜はもう明けている』、ノンフィクションに『街を離れて森のなかへ』、『地球を抱いて眠る』、『アメリカのパイを買って帰ろう』、翻訳に『空から光が降りてくる』(ジェイ・マキナニー )、『魔空の森 ヘックスウッド』(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ)など。2012年逝去。
著:駒沢敏器 出版社:風鯨社 2022 ソフトカバー 488p
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