生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
(祝婚歌)
よく知られるように、吉野弘の詩には難しい言葉はほとんど見られない。
しかし恐らくこの日本で最も有名な詩のひとつに出会った時、深く胸を打たれ、考え込んだ。生きるのことの「なつかしさ」とはどういう意味だろう?
吉野弘のような詩人は他にいない。誰もがわかる言葉で書きながらも、その詩の奥行きは深く、豊穣だ。
そんな父をすぐそばで見てきた娘による詩人の肖像。
”誰もが知る詩人の、誰も知らない家族のはなし
「I was born」「夕焼け」「祝婚歌」――誰にでもわかる言葉で日常の一コマをあざやかに切り取った詩の数々は、どのようにして生まれてきたのか。その発生の現場をすぐそばで見てきた娘の視点から、まっすぐに詩と向き合い、あたたかな眼差しで家族を見守りつづけた詩人の生涯をたどる。”
著 Author:久保田奈々子 出版社 publisher:青土社 2026 ソフトカバー 296p
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