「セウォル号沈没事故に胸を痛め、自分にできることを探して奔走していたミレ(未来)が突然、この世を去った。親友だったミレの死に、生きる意欲を失い文章を書けなくなった小説家志望のジヘ。憧れと嫉妬を抱かせた双子の妹・ミレを亡くし、痛みを麻痺させて生きるナレ。叶わぬ恋を胸に秘め、家族の日常を守るために夢を諦めて自傷行為に浸るジャラム。梨泰院圧死事故を機に自らの日常の綻びに気づき、息の仕方がわからなくなるミンソ--実際に起きた事件を背景に、残され、傷ついた若者たちが互いの傷を見つめはじめる。」
痛みを抱えて生きる若者たちに寄り添い、どうすれば前を向けるのだろうかと静かにもがく小説。この静かな震えは、深く埋まってしまったよろこびをやがて揺り起こすだろう。(大前粟生・小説家)
著者のムン・ジニョンは本作が日本初邦訳。
佳作ながら繊細な物語世界に定評があるとのこと。
強さではなく、優しさで心を温めるような作品であるという点が里山社の目にとまりました。困難な時代を生きる我々の道標になるような希望の作品です。
著 Author:ムン・ジニョン 訳:キム・ソヨン 出版社 publisher:里山社 2026 ソフトカバー 208p
new 新刊書籍