20世紀の悲劇を背負ったヨーロッパ辺境が生んだ一抹の光。クエイ兄弟の映画でカルト的人気を誇る独自の作品世界。
(本書より)
ブルーノ・シュルツ
1892‐1942。ヴィトキエヴィチ、ゴンブローヴィチと並ぶ両大戦間ポーランド・アヴァンギャルドの三銃士の一人。ドロホビチ(現ウクライナ領)に生まれる。ルヴッフ理工科大学で建築を学ぶが中退。版画集『偶像讃美の書』(1922)でマゾヒズムの美を模索した後、友人の導きで文学の世界に入る。1924~41年の間、美術教師として創作に励むが、余暇に恵まれず、残された作品は、『肉桂色の店』(33)、『砂時計サナトリウム』(37)の2短篇集と、残る4短篇の32篇にすぎない。ナチス占領下、ゲシュタポの銃弾によって白昼の路上に斃れた。
出版社:平凡社 2005初版 488p 16 x 11.2cm
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