随筆家、若松英輔と同タイトルで同時発売された作家吉村萬壱の随筆集。
企画は若松英輔。
お互いに選んだ動詞をもとに「生きていくうえで、かけがえのないこと」を綴る。
眠る、ふれる、読む、働く、待つ、食べる、悲しむ、見る、癒える、憎む、出す、喜ぶ、ときめく、愛する、見つめる、休む、嘆く、忘れる、耐える、壊す、書く、老いる、聴く、念ずる、祈る
かけがえのない言葉、かけがえのない風景が現れては消え、そして残る素晴らしい一冊です。
「私は小学生の頃、親に、私のことを尊敬しているか?と訊かれて「別に」と答えたことがある。正直な返答だったが母親は小娘のように拗ね、父親は悲しそうな笑みを浮かべて黙っていた。親が子を育てることがいかに大変なことであり、それだけでも尊敬に値するなどということはもちろん当時の私には思いもよらなかった。」(愛する)
著者:吉村萬壱 装画:西淑 出版社:亜紀書房 2016.9 128p ハードカバー
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