「熊本の<小さくて不便な本屋>橙書店。看板猫と共に日々店に立ち、人と人、人と本とをつないできた店主による本と猫と記憶にまつわる初めてのエッセイ集。」
本屋の中で流れる時間、本屋の外で流れる時間。
嬉しいことも悲しい出来事も猫が喋るように綴られている。
そして全ての出来事が本につながっている。
ありきたりかもしれないけれど、本が好きで本屋も好きな人にはたまらない一冊だろう。
僕も一日で猫の速さで読んでしまった。
「清志郎の命日」というタイトルが飛び込んできて、ここから読んだ。
僕もその日のことはよく覚えているから。
例え知らなくても、離れていても、会えなくても、著者と同じ気持ちを分かち合えるのは本や芸術の素晴らしいところだと思う。
そんな、素晴らしさがたくさん詰まっている本です。
書き下ろし小冊子付
寄稿:伊藤比呂美、川内倫子、坂口恭平、渡辺京二
素敵な猫の装画は坂本千明
著者:田尻久子 装画:坂本千明 装丁:名久井直子 出版社:ナナロク社 2023 2刷
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