巻頭に白石和弘さんが撮影した「山の上の家」の写真が並ぶ。
机、鉛筆、ノート、万年筆、書棚、溢れんばかりの本、そして庭の植物と「かきまぜ」
ここで庄野潤三はあの膨大な数の小説を書いたのか、ここであの家族は過ごしたのか、と庄野文学を愛した人なら感慨深く頷き、やさしい気持ちになることは間違いないでしょう。
この本を手に取ればたとえ庄野潤三を読んだことがなくても本を愛する人なら心を打たれます。
単行本未収録の作品、全著作案内、家族の原稿などを収録。
・巻頭文/佐伯一麦
・私のお父さん/今村夏子(庄野潤三 長女)
・父の思い出/庄野龍也(庄野潤三 長男)
・庄野潤三が家族を描いたスケッチ
・単行本未収録随筆(「わが文学の課題」)
・単行本未収録中編小説(「青葉の笛」)
・庄野潤三とその周辺 /岡崎武志
・「山の上」という理想郷/上坪裕介
・全著作案内/宇田智子・北條一浩・上坪裕介・島田潤一郎
・短編・随筆リスト
・山の上の親分さんとお上さん江/今村夏子(庄野潤三 長女)
本書は川崎の生田にある庄野潤三の家が一般開放(秋分の日、建国記念日の年2回)されることにあわせてつくられました。
夏葉社さんはまた本当に美しい本を創られた。
著者:庄野潤三 出版社:夏葉社 2024 5刷 A5判変形上製 240p
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