皆去ってさくらの下が濡れている
風の音わたしのどこをひらいても
まばたきをするたび舟が消えている
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発売後瞬く間に品切れとなった八上桐子の句集。待望の第二刷。
一句に目を通すたびに、どう形容すればいいのかわからない風景、情景が浮かぶ。
そして様々な音が耳元をかすめていく。
日々の、本当に些細な罅(ヒビ)を、たった17文字でこんなにも豊かに描けるものなのか、と驚き感動しました。
素晴らしい一冊です。
「港の人」の美しい装幀は言うまでもない。
著者:八上桐子 出版社:港の人 2019.4初版第二刷 A5判変型/上製本/ハードカバー106p
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