火葬場でヨンウを見送りながら妻は、「さよなら」じゃなくて「おやすみ」と言った。まるでまた会えるみたいに、指で遺影を撫でながらそう言っていた。-『立冬』
本当に素晴らしい作品に出会えました。
1980年韓国・仁川生まれ。
22歳でデビュー後、現代の韓国を代表する作家となったキム・エランの短編集です。
タイトルとテーマに惹かれ初めてこの作家の小説を読んでみましたが予想を上回る感銘を受けました。
大切な人を失ってから歩き出す人々を決して急かさぬよう共に寄り添うように描いています。
ジュンパ・ラヒリ、レイモンド・カーヴァーなどが好きな方は必ず夢中になると思います。
おすすめの一冊です。是非。
立冬
ノ・チャンソンとエヴァン
向こう側
沈黙の未来(韓国で最も権威ある李箱文学賞受賞)
風景の使い道
覆い隠す手
どこに行きたいのですか
以上7つの短編を収録。
著者:キム・エラン 訳:古川綾子 出版社:亜紀書房 2019初版 ソフトカバー 284p
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