将来のノーベル賞候補とも言われたドイツ出身の作家、W・G・ゼーバルトの遺作、そして最高傑作「アウステルリッツ」(改訳・新装版)。
語り手である「私」がアントーワープの駅舎で出会った建築史家「アウステルリッツ」。
十九世紀の神々-鉱業、工業、交通、商業、資本、
そして帝国主義の遺物-駅舎、裁判所、要塞都市、病院、監獄
アウステルリッツはそれらを見て回り、メモしたことを、つまり暴力と権力の歴史を語ります。
小説、散文、という形を取りながらも幾つもの写真や資料が挟み込まれたページ。
徹底的な取材の上に記された忘れられていく人々と遺物。
全米批評家協会賞、ハイネ賞、ブレーメン文学賞受賞
解説:多和田葉子
著者:W・G・ゼーバルト 訳:鈴木仁子 出版社:白水社 2020初版 ハードカバー298p
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