こどもたちは まっている ふねがとおるのをまっている
こどもたちは まっている かもつれっしゃがくるのをまっている
こどもたちは まっている ねこがでてくるのをまっている
「あさになったのでまどをあけますよ」「きょうはそらにまるいつき」「たいようオルガン」数々の名作を創り出して来た荒井良二さんの新作です。長新太さんに捧げられました。
ご本人からのコメントが泣けます!
ぼくが大学生の時に、長新太「ちへいせんのみえるところ」を
手に取ることがなかったら、絵本を作っていなかったと思う。
今だにぼくは、この地平線の見える風景の中にいて、
優しさや不安や笑いや寂しさや怖さや希望の風に吹かれている。
そう、まるでこどもの時のぼくがそうして立っているように。
ぼくが絵本を作る時は、必ず頭の中で一本の線を引き、
そこからぼくの絵本の旅を始める。
やがて、その線は見えなくなってしまうが、
時おり顔を出してはこどもの時のぼくが「ちへいせん」を眺めて立っている。
いつか、ぼくの「ちへいせんのみえるところ」を描いてみたいと思っていたが、
もしかしたら、この「こどもたちはまっている」が、そうなのかもしれない。
そして、この本を長さんに捧げたいと思う。
荒井 良二
著者:荒井良二 出版社:亜紀書房 2021 4刷 A4判/ハードカバー/32p
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