兵庫県姫路市にある私設博物館「日本玩具博物館」。
本書は二十世紀の「世界の民芸玩具コレクション」の中から選ばれた五十六種類の玩具に光を当て、その歴史と文化、そして魅力を伝える目的で製作されました。
木、土、木の実、麦わら、ヤシの葉、ヒョウタン、紙、その土地のものを使ってその土地に住む人々が作り伝えてきた表現を紹介ししています。
玩具の紹介はもちろん、民芸玩具地図や民芸玩具の宝庫と言われる中国、インド、ドイツ、ロシア、メキシコについてのエッセイなども収録。
また、日本玩具博物館の館長である井上重義さんは西神戸〜姫路の住民はお馴染み山陽電鉄の車掌さんだったそうで、休日を利用して全国へ玩具の収集の旅に出ていました。そうして1974年に出来上がったのが「日本玩具博物館」の原型である「井上郷土玩具館」です。
そして著者である尾崎織女さんは1990年に日本玩具博物館に学芸員として加わりました。
文化と人が出会って生まれた後世に引き継いていきたい名作です。
著者:尾崎織女 企画・デザイン:軸原ヨウスケ デザイン助手:菅野沙耶 写真:高見知香 出版社:大福書林 2020.9 初版/ハードカバー
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