この半年ほど、「自粛要請」という不可解な日本語が溢れかえり、気が狂いそうになっているのは僕だけだろうか。
もう少し時を遡ると空疎な日本語だけではなく、政治家は嘘と隠蔽を繰り返し、誤魔化し、しまいには公文書を改ざんするにまで至っている。安倍首相の日本語が何だかわかりにくいなと思ったのはいつからだろう。そしてそれには理由があるのかと疑うようになったのはいつからだろう。メディアはすっかりその空白に取り込まれ、何が真実なのかさっぱり分からなくなってしまった。
コロナの対応で各国の首脳が自分の言葉で国民に語りかけていることに感動することがある。
そんな普通のことに感動しまっている自分は空疎な日本語に毒されていることに気づく。
日本語を、取り戻すにはどうしたらいいのだろう。
まだ時間がかかりそうだ。
表紙も風刺が効いてますが風刺画もいつからかほとんど見えなくなってしまった。
【目次】
1 あの人にさよならを。
2 言葉と空気。
3 ワンフレーズの罠。
4 がんばれ、記者諸君。
あとがきにかえて
著者:小田嶋隆 出版社:亜紀書房 2020.9 ソフトカバー
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