"病や障害の名でひとくくりにできない固有の症状や想い。
誰かと分かち合うこともできず。
そんなとき、傍らにはどんな本があったのか"
「読む」ことが「生きる」ことに繋がると考えるのは大げさだろうか。
けれどこの2020年の春に、僕は切実に本を必要としている人に何人も出会った。
それぞれに理由があり、僕の知るところではないが、自身やあるいは家族が抱え込んでいる問題と共に過ごすとき、読める読めないに関わらず、本はいつもそこで開かれるのを待っている。
切実な体験が書かれた本書もまた、読者にとって「生きる」ことへの道標になるかも知れない。
【本を知る】
齋藤陽道 母の絵日記
頭木弘樹 本嫌いが病気をして本好きになるまで
岩崎航 病をふくめた姿で
【本が導く】
三角みづ紀 物語に導かれて
田代一倫 写真と生活
和島香太郎 てんかんと、ありきたりな日常
【本が読めない】
坂口恭平 ごめん、ベケット
鈴木大介 本が読めない。
【本と病と暮らしと】
與那覇潤 リワークと私―ブックトークがあった日々
森まゆみ 体の中で内戦が起こった。―原田病と足るを知る暮らし―
【本と、傍らに】
丸山正樹 常にそこにあるもの
川口有美子 それは、ただ生きて在ること
著者:上記 デザイン:服部一成 出版社:里山社 2020.10 初版 ハードカバー 246p
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